ジャパンネット バンク 水平対向エンジン
対向とは?
水平対向エンジン(すいへいたいこうエンジン)とは、偶数シリンダーの多気筒エンジンで、シリンダーとピストンを気筒毎交互に2つグループに分け向き合うように水平に配置しているエンジン。 向かい合うシリンダーのクランクの位相が180度の場合は、ピストンの動きをボクシングのパンチになぞらえ、「ボクサー(BOXER)エンジン」とも呼ばれている。
水平対向にピストンを配置することにより、上下方向の振動が少なくできる・重心を低くできる、などの利点がある。欠点はストローク(シリンダー)を伸ばすとエンジン本体の横幅が大きくなり車体幅を広げる必要があるのでトルクを出しやすいロングストロークエンジンが作りにくいことである。そのため、ショートストロークのエンジンが主流である。
水平対向エンジンは向かい合ったシリンダーのクランク位相角を180°とすることによって、V型エンジンに比較して振動を抑えることが容易である特徴を持つ。一方、バンク角が180°のエンジンのうち、クランクピンを左右のバンクのピストンで共有しているエンジンのことを本来の水平対向エンジンと区別して「180°V型エンジン」と呼ぶ。これは特に12気筒エンジンで例が見られる。12気筒エンジンの場合、片方のバンクで一次振動、二次振動ともバランスするため、あえてクランクの複雑なボクサーにせず、V型エンジンによく見られるクランクピンを共有した形式である。特にフェラーリのフラット12気筒モデルが知られている。
直列4気筒エンジンの場合、クランクシャフトを支えるベアリングは両端と気筒の間、合計5つという例が多い。V型4気筒の場合は両端とVの間、合計3つである。 水平対向4気筒の場合はいくつかバリエーションがある。かつてのフォルクスワーゲン・ビートルの例ではベアリングは両端と中央の3つであった。富士重工の水平対向4気筒は直列4気筒と同じくベアリングは5つである。そのためクランクシャフトが長くなりボアピッチも大きくなりボアの大きいエンジンとなっている。 かつてのフェラーリのF1カー、フェラーリ312Bのエンジンは水平対向12気筒であったがベアリングは両端の2つと片バンク2気筒に付き1つの合計4つであった。この方式の利点はベアリングで仕切られた4気筒のクランクケース内の容積が一定になり圧力の損失が最小限になるということであった。
1936年4月、日産ディーゼル工業の前進である、日本デイゼル工業が、ドイツのクルップ・ユンカース式2サイクルディーゼルエンジンの特許を取得して、上下対向ピストン型エンジンの生産を開始した。これはひとつのシリンダー内に二つのピストンが向かい合っているもので、現在では馴染みのない形式である[2]。
モータースポーツの分野においては、レース専用のものとしてはかつてフェラーリやアルファ・ロメオがF1用に水平対向エンジンを開発していたが、グランド・エフェクト・カー時代になると、水平対向エンジンではダウンフォースを得るために車体下面を整形するための空間を確保することが困難であり、エンジン下部に空間的な余裕があるV型エンジンが有利となり、廃れていった。1990年にスバルがF1に12気筒エンジン(正確にはこれはボクサーではなく180度V型である)を供給した事もあるが、シーズン途中で撤退した。現在F1レース仕様の水平対向エンジンを開発しているメーカーはない。
二輪車ではBMWのRシリーズやツンダップをはじめ、その亜流も含めて数社が水平対向式エンジンを生産していたが、現在も開発が続けられているのはBMW、ホンダ、ウラルモト、長江モーターワークスのみとなっている。
鉄道車両、特に気動車の場合はレールと車体の台枠の間という狭い空間にエンジンを収めなければならず、更に近年は低重心化・低床化のニーズが高まっていることから、直列エンジンでもかつては縦型は存在したが現在はシリンダーを寝かせた横型が主流となっている。そのため水平対向型はその高出力バージョンという位置づけで開発された。
国鉄民営化後は直接噴射化とインタークーラーを装着したキハ183系のDML30HZ(660馬力)を最後に水平対向エンジンの採用は打ち切られ、以降の新型車では車体の軽量化や省エネルギー化、多段トランスミッションの採用などでインタークーラーターボ付き直接噴射式直列6気筒エンジン(排気量11〜14リットル級)が主流となっている。